主宰中尾知代によるプロデュース型演劇ユニット

by hachi-tora

<   2012年 10月 ( 4 )   > この月の画像一覧

三題噺「夢食む金魚」

しらじらと夜が明けていくのであった。
秋の夜長、と言えども、毎夜毎夜が浮き足立って駆け足で御座います。
どうも通年夜行性、中尾です。


11月のまちづくりもいよいよ始動!

そしてそして。年末年始にもビッグイベントも待ち構えておりますよ!
嗚呼早く色々お伝えしたい!!


さて、一旦お休みを頂いてるユーストリーム番組「Tiger&Bee」でやった三題噺を公開!

沈没のしらぬゐをご覧になった方々は、あの人形師さんに今一度会える!!


第三回【夢(ゆめ)食(は)む金魚】

お題 【畳・髷・金魚】 ※江戸縛りの怪談噺。ツイッターでMegu1Bさんからリクエストで頂いた三題です。

【夢食む金魚】


ふと足元を見ると、真っ白な猫が大きなあくびをしている。
お天道様の光をたっぷり浴びた、もこもこの布団を丸めなおして心地よさそうに目を閉じる。
うとうとと、夢の世界へ船出だ。

人形師は、女中に案内され旅籠の中へと入る。
くたくたである。ここ数日、ろくろく眠らずに作業をしていたのだ、無理もない。
しかしわざわざ遠出してこの旅籠を選んだのだ。
つらい眠気をぐっと堪え、宿帳をと勧める女中に問うた。


「金魚花の間、っては空いておりやすかね?」


**************


“金魚花の間“いつからかそう呼ばれるようになったが、本来は菊の間である。
この旅籠の二階の角部屋だ。噂が噂を呼んで、わざわざ遠くからこの男のような物好きがやってくる。
この部屋に泊まると、その身にちょっとした不思議が起こるのだ。

 
 はじまりはいつだったか。
ある朝、菊の間に泊まった侍が階下に降りてきた。
その顔を見て、店の者一同驚いたものだった。
否、顔ではない、正しくは髷だ。その髷を見て驚いた。
なんと侍の髷に花が咲いていたのである。小さなかすみ草のような花がいくつもいくつも髷の先に咲いている。誰かが悪戯で花を刺したのではないか、とも思ったがこれが違った。
髷の毛先そのものが、花になっていたのだ。しかも侍は怒ることなく、とても上機嫌である。
夢も見ずに良く眠れた、身体がこんなにも軽いのははじめてだ、と喜んで帰っていった。

 以来あの部屋に泊まった者の髷に花が咲く、という怪異が続いた。
しかしその“被害”にあった誰しもが、店に文句ひとつ言わず、むしろ礼を言うほど喜んで帰っていく。心地よい眠りであった、と。

 こうなると菊の間で一体なにが起きているのか、店の者たちはいよいよ確かめたくなった。
ある夜、一人の侍が泊まっているのを、こっそりと襖を開けて覗いたことがある。

 すると。
眠っている侍の、身体の下から何かが浮かび上がってきた。
よくよく目を凝らしてみると、畳の中から真っ赤な金魚が、ぷかりぷかりと浮かんでくるではないか。
一匹、また一匹と浮かび上がり、菊の間はいつの間にか、金魚鉢になったかのように宙を泳ぐ金魚でいっぱいになった。
そのうちに一匹が、眠る侍の髷をつんつん、とついばみだす。侍が、金魚鉢に沈む餌であるかのように、金魚たちはつついてゆく。
つついた先から、ぽん、ぽんぽん、と毛先に花が咲く。
夢を、食べているのだ。と、女中は思った。金魚たちの泳ぐ姿は、まさに夢見心地で、穏やかな極楽の風景であった。
朝になると金魚たちは畳の中へと帰っていった。


**************


人形師も、この金魚花とやらを楽しみにやってきたのだ。
いそいそと宿帳に名を記す人形師の横を、先ほどの猫がすり抜けていった。

「空いてはおりますけど・・」

しかし、ひと足遅かったですね、と女中は足元に絡みつく猫を撫でながら付け足した。

「こいつがね、あの部屋で寝ちまいやがったんですよ」

だらりと、首根っこをつかまれた猫は「にゃおん」と訴えるように、人形師に向かって鳴いた。

「以来、ぱったりと金魚はあらわれません」

 

金魚花の間に案内された人形師は、ぼんやりと外を眺めていた。暮れ六つの鐘が聴こえる。もうすぐ夜がやってくる。

「・・金魚のお味は如何でした?」

人形師の膝の上に丸まった猫は、大きくあくびをして、ぺろりと舌なめずりをした。


【了】


怪談、というよりは百物語の一話のような。
江戸百物語の おおらかな不思議さが好き。
百物語シリーズとして書き続けていくのも楽しそう。

8割世界のニューフェイス小林肇の朗読版はこちらから!! ↓↓
http://www.ustream.tv/channel/tiger-bee#/recorded/24952990

皆様の感想・ご意見などお待ちしております!!
[PR]
by hachi-tora | 2012-10-19 06:12
夜道、すれ違ったお兄さんからなにやら甘い薫り。

おや、風雅な御仁だこと。

と思ったら金木犀の薫りで御座いました


秋の風雅がやってきてますな。
秋の夜道の道すがら。
考えごとには良き塩梅。


さてさて本日は顔合わせで御座いました!

蜂寅企画が早くも公演やります!


ワーサルシアター提携公演
「まちづくりproject」
2012年11/08(木)〜12(月)!!
@八幡山ワーサルシアター


THE TRICKTOPSという劇団主催のイベントに参加します。
まちづくりprojectってなんぞや、と思われると思いますので簡単に説明を。


【まちづくりprojectのコンセプト】
フィクションの世界で、一つの「まち」を作り続けるというプロジェクト。半年間で6公演、1公演4話のオムニバス作品で構成されており、それぞれの話で脚本・演出が異なる。
複数の作家が同じ世界設定、同じ登場人物を共有して創作する作品群「シェアワールド」の概念を取り入れた、小劇場界でも類を見ない一大企画である。

君の町にもきっとある、心温まるヒューマンドラマの数々を、個性的な作家達・キャスト陣が描き出す!


という企画です。
30分程の短編を番外公演としてやります

タイトルは

『カルメン、故郷に帰れない。』
脚本・演出:中尾知代(蜂寅企画)



タイトルや公式説明文からも

おや?

と思われる方も多かったと思います。
そう、
な、な、なんと


蜂寅企画、初、

現代劇に挑戦!!!!
なんです!!

蜂寅企画の看板をいつの間にか担いでワッショイ大暴れあばずれファムファタル
島田紗良も出演します!

フィクションの町に蜂寅企画がなぐりこみ☆


いや本当に2012年霜月〜年末年始にかけて蜂寅企画から目が離せませんよ、旦那方。



チケットのご予約は

メール(hachitora_kikaku@yahoo.co.jp)、またはTwitterでのリプ、DM、コメント

または下記URLチケット予約フォーム(中尾扱いになります)から

宜しくお願いします!↓↓

http://ticket.corich.jp/apply/39767/009/
(本日10/17の10:00から予約開始です)



いつでも 踏み出したことのないところに飛び込むのは勇気と体力がいるぜ。

でも いつだって 見たことないって震えるくらいの面白いのが見たい
何より誰よりあたしがそれを目の当たりにしたいんだ



も え て き た!
蜂寅初の現代劇乞う御期待であります!!


皆様、ご予約はどうぞお早めにお願い致します!!
[PR]
by hachi-tora | 2012-10-17 00:48

池袋演劇祭入賞決定!!

蜂寅企画第六回公演【沈没のしらぬゐ】

池袋演劇祭入賞しました!!


やっ……たー!!やったー!!ヤッターマン!

有り難い限りです。
10/29の授賞式まで何賞かは分からないので、分かってからお知らせしようという心積もりでしたが、我慢出来ませんでした!
賞については分かり次第お知らせ致します。
(中尾もドキドキであります)

蜂寅企画は中尾一人ですが、【沈没のしらぬゐ】は座組みんなの力あっての作品でした。
皆の心血がこうした賞になったこと、嬉しく思います。


ご来場下さいました皆様、いつも応援してくださいます皆様、本当にありがとうございます。この場を借りて改めて御礼申し上げます。

これでまた新たな道を歩めます
演劇界を高下駄鳴らしてずずいっと進んで参ります!!

今後とも蜂寅企画を何卒宜しくお願いします。
[PR]
by hachi-tora | 2012-10-15 19:08

WSオーディション終了!!

なんだか寒い!

本格的秋がしずしずと歩んできてましたよ!
この季節なに着ていいのかすごい迷いますな。
むむむ


さてさて
先日10/7
蜂寅企画WSオーディション無事終了しました!

ご参加下さった皆様ありがとうございました!


準備体操〜肉体を動かす〜五感を動かす〜エチュード〜過去台本を使用した読み合わせ〜立ち稽古
ざっとこんな感じの内容でした。時代劇、という括りの所為で小難しいことやるかと思われがちですが、そんなことないんですよ。
蜂寅企画の看板となった島田紗良は前日に
『木刀は要らないの?』と連絡してきましたが(笑)
立ち廻りのみのWSも楽しそうですけどね!


皆様の 肉体と心が きらりと光る、そんな瞬間をたくさん見ることが出来ました。


第二回WSオーディションも開催予定です!
11月中旬頃を考えております!!
詳細決まりましたらまたお知らせします☆


お江戸八百八町の花形、火消し野郎になりたいアナタ。
お江戸の小粋な姐さん、小町になりたいアナタ!
燃える瞳を旗印に、蜂寅企画と一緒にどデカい花火をあげようじゃあありませんか!


皆様の御応募お待ち申し上げております!
[PR]
by hachi-tora | 2012-10-09 08:43